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本文共计4849个字,预计阅读时长19.4分钟。

作品内容ものべの -Main Story-

「ここがものべの!? なーんにも無いねぇ」

 

高知の山深い寒村、茂伸村へと六年ぶりに帰省した主人公、沢井透と、

ふるさとのことをすっかり忘れてしまったらしい妹 夏葉。

都会はおろか、他の人里からさえ隔絶された古びた空気の中、

家守妖怪【あかしゃぐま】のすみ、幼馴染のありす、傘妖の飛車角――

 

懐かしい面々との再会は、錆ついていた記憶の時計を動かし始める。

大掃除、山遊び、水普請、畑仕事、牛鬼の来訪……

少しも変わらぬ茂伸の暮らしを重ねるうちに、

やがて、村に伝わる土着信仰、【ひめみや流】の夏祭りの夜が訪れる。

 

夜行市ににぎわう境内に響く触太鼓は、祭りのクライマックス【面舞い】の始まりを告げるもの。

ちぐらとヒトカタとに守られた舞台に浮かび上がるは、七面頬なる大妖と人間たちとが織りなす歴史。

 

その舞の最中、夏葉は突然倒れてしまう。

「おにいちゃん……夏葉……体がヘンだよう」

一晩にして十センチ以上伸びた身長、体型の変化、下腹部からの初めての出血。

夏葉の体を襲ったものは、まぎれも無い異常成長だった。

(このまま、異常成長が続いてしまえば……夏葉の命は!)

果たして原因は病か祟りか――

焦燥の中、すみとありすとの力を借りて、透は、夏葉を救うための手掛かりを探し始める。

 

すみルート -After Story- 「むこうの」

ちぐらの中に住まわせることで肉体的に、大陸より招請した大妖・獏が見せる夢により

精神的に――老化してしまった夏葉が安定と眠りとの中にまどろむようになってから七年間が経過した。

 

その間、必死の博師修行に勤しみ続けた透と、常に透を支え続けてきたすみとの間には、

愛娘・えみが誕生していた。

 

夏葉の時を戻せる可能性があるとすれば七面頬の時喰みあるのみ。

そう確信した透とすみとは、七面頬の修行場所を探し求めつづける日々をくりかえし――くりかえすうち、

えみの目が特殊な力を持っていることに気づく。

 

半人半妖であるえみの瞳には、人にも妖にも映し出すことが出来ない、

“見えず触れず”で重なり合っている人の茂伸と人とは暮らせぬ妖の住まう茂伸との――

そのふたつの世界を繋ぐ “穴” が映し出されるのだ。

 

(滝女郎でさえも知らない七面頬の修行場所を、

人とは暮らせぬ妖たちの世界――“むこうの”で暮らす妖はあるいは知っているかも)

 

そう考えた透は、すみ・えみ・飛車角とともに“むこうの”へと踏み込む。

彼らを迎えたのは、こっそり“むこうの”に出入りしていたえみを守り続けていてくれたえみの親友、

うたれちゃんこと鉄砲撃レ狸。

うたれに導かれるがまま、

むこうのの大土地を治める大妖・四国八百八狸頭領・大狸形部腹突との面会を果たした透は

“むこうの”の茂伸神社本社に棲まうコンコーポーなる大天狗が、

“むこうの”の滝番についての情報を持っているという話をきかされる。

 

透のことを信頼してくれた形部狸の全面協力を――得られそうでさえあった有効ムードをしかし、

飛車角の「たぬき汁」発言が一気に粉砕してしまう。

 

命からがら“むこうの”の大土地を抜けだした透は、飛車角の老化を痛感。

「飛車角にはもう頼れない」と、ひめみやと博師たちの許可を得、面の法を為すための七面を借り受け。

また、滝女郎の分身である右女郎と左女郎、牛鬼のとおこ、ちまとめっかいの協力を得ることにも成功する。

連絡役の右女郎、ありす、飛車角をものべのに残し、協力者たちと、そしてすみ・えみとともに、

再び“むこうの”へと踏み込んでいく。

 

ありすルート -After Story- 「ありすとご開祖ちゃんとの日々」

「ここが透さんのアパートですか――」

 

茂伸から、ひめみや様の手から逃げ出し、ありすと夏葉と始めた犀玉での暮らし。

 

(病院にも追手がかかっているかもしれない)

 

疑心暗鬼に囚われ、また眠り続ける夏葉の安定を壊すことを恐れ、透は全く身動きが取れなくなってしまう。

 

そんな透を支えるために、粉骨砕身するありす。

だが、慣れぬ街での暮らしと新生活とがかける負荷に、ありすは倒れ込んでしまう。

 

「ありすが!?」

 

夏葉のことも忘れ飛び出し、ありすのもとへ駆けつける透。

救急搬送されたありすが運びこまれた先は、透の学ぶ犀玉医大の総合医療センターだった。

幸いにして回復可能な過労状態だったありすの励まし、そして恩師・南雲教授の叱咤によって、

己の愚かさに気づいた透は、夏葉を目覚めさせるため、そしてありすを自分の手で支えるために、

医師になるための勉強に、そして教授の助手としてIAGS研究に全力を尽くすようになる。

そんな透と支えあうため、ありすはありすで医療事務の勉強を開始する。

 

苦労は多いけれども、幸せな、とても充実した日々。

それは不意に――ひとりの少女――ひめみや流開祖・星辰ひめみやの来訪によって崩される。

 

<生者として活動するためには、他人の時間を前借しなくてはならない>

 

透とありすをフォローするため犀玉にまでやってきてくれたご開祖は、

しかし、その特質のためありすの時間を大幅に前借りしてしまった。

 

少女に変わり、今までの記憶も失ってしまったありす。

 

「ありすを元に戻す方法は!?」

 

詰め寄る透に、ご開祖は答える。

前借りを精算するためには、ご開祖の代理人たる男――

すなわち、沢井透の“精”を注ぎ込むことが必要なのだ――と。

夏葉ルート -After Story- 「七つの夏のはざまたち」

透と結ばれたことにより御留水が抜け、小さなからだに戻った夏葉。

だが、父の日記を探した透が井戸へと落ちかけたことにショックを受け、再び軽度の異常成長に襲われてしまう。

 

ひめみや、尚武に滝女郎までも交えた会議により、夏葉の現状と御留水の今のありようとを理解した透は、

夏葉にいまだわずかに残る御留水の安定を図るため、夏葉といちゃいちゃあまあまな日々を送るよう心する。

 

その甲斐あって本来の成長度に再びもどった夏葉と透は、IAGS完治を目指し、手を取り合って犀玉へ向かい、

夏葉はそのまま、犀玉医大付属病院へと入院することとなる。

 

なれぬ入院生活で夏葉が不安にならないように、透は勉強・研究と並行し、

夏葉のためにできる限りを尽くし続ける。

 

はじめての院内学芸会、譲り受けることが出来たウェディングドレス、

透のあたたかな支えによって、夏葉は異常成長をぶりかえさせることなく、

夏葉本来のペースで、治療と自然成長とを重ねていく。

 

やがて、入院当初は観客でしかなかった夏葉が、

病棟の子たち全員の推薦により主役に選ばれるほどの時が流れる。

 

無事医師になった透の支えもあり、見事に主役をつとめあげた夏葉に、

もっと嬉しい知らせ――自宅療養の許可が与えられる。

 

かつてはあたりまえだった犀玉のアパートでの兄とふたりきりの暮らし。

しかし、病を経、また恋人関係になったことにより、それはより濃密で幸せなものへと変化していく。

 

尚武の来訪により大きな進捗を得たIAGS研究の成果が認められ、

透が初めて学会へと赴くときには、夏葉も同行を許される。

 

ふたりきりでの、今までのものとはまるで意味合いが違う小旅行――

 

めぐりくる一つの夏の度、透と夏葉は肌を心を重ねあい、絆を、愛を深めていく。

 

そして、迎える七つ目の夏。

透は、夏葉は――求め続け、望み続けた嬉しい知らせを耳にする。

 

飛車角プレストーリー 「飛車角、雨あがり」

「ほんに――徳川の世が終わるいうんか?」

 

時は幕末。人間にとっての動乱期はまた、妖にとっての動乱期でもある。

 

「次の世がどがいなものになろうとも――人を喰らう妖を野放しにしちょっちぁ。人から妖が喰らわれるきのう」

 

芸州妖怪の大立者、悪五郎の依頼を受けた傘妖・飛車角は、西へ――出雲へ。

人を喰らうという“のうま”なる妖怪を退治するための旅に出る。

「おらぁ……まだ、死にたぐね」「!!?」

 

妖を見事退治した飛車角の耳に飛び込んでくる、か細い悲鳴。

慌て駆け出し見たものは、カミと思しき存在が、みずぼらしい身なりの少女を追い詰めている姿であった。

 

「カミさんが、なにしちゅう」

「なにもかにも清めんと。その子ぉはツミトガケガレの権化ですけぇ」

 

イヅモノミコと名乗るそのカミの言葉のとおり、

少女を庇う飛車角の骨は、傘は、見る間に焼け焦げ、腐り落ちていく。

しかし、傘たる性は、守る性。己の身の崩れることも厭わずに、飛車角はひたすら少女を守り続ける。

 

「……ほうたら、その子ぉ、傘妖はんに預けますけぇ。どーせ、同じことになりますよって」

 

カミ特有の気まぐれか、イズモノミコは飛車角の傷を癒し、

また、少女の放つツミ・トガ・ケガレを封じる結界までをなし、

少女と飛車角とを出雲山中に放ち置いたまま立ち去っていく。

 

「ワシゃあ、飛車角」「飛車角?」

「そうじゃ、飛車と角を合わせたよりももちっと強いいうて、仏法僧どもがつけた名じゃあ」「飛車と、角?」

将棋のルールを知らない少女に、飛車角は舌で書いた盤駒を使い説明していく。

「で、王さんが動けんようになると。“つみ”言うて」「つみっ!!」

満面の笑みで自らを指さす少女を目にし、飛車角も破顔一生。

「おうおう、そうじゃの、ぬしゃあつみじゃ! わしなんぞよりよっぽど強い、王様をつます、その“つみ”じゃ!」

 

つみと名付けられた少女と、守ることしか知らぬ傘妖・飛車角と。

ともに不器用なふたりはしかし、ちぐはぐながらも幸せな暮らしを送り始める。

が――飛車角はすぐに思い知らされることとなる。

 

「同じことになる」とイヅモノミコが言い放った……その真意を。

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